Schneider Electric 社: 製品カタログのデジタル顧客要件に対応

顧客への製品カタログの提供

Schneider Electric North America の製品カタログ『Digest』は、80 年間以上にわたり、顧客から最高の製品リソースであるという高い評価を受けてきました。1,000 ページ規模の『Digest』は、印刷を主体としたドキュメントとして制作されてきました。2012 年には、175,000 部もの『Digest』が印刷配布されましたが、Schneider には多額のコストが発生していました。

パブリッシング コストが高額であっただけでなく、情報の更新に手間がかかっていたため、何度も遅れが生じ、顧客にタイムリーな情報を提供できていませんでした。 アンケートでは、87 パーセントが印刷版の『Digest』を「極めて優れている」または「優れている」と評価している一方、オンラインの PDF が同じレベルにあると回答したのは 68 パーセントのみでした。オンライン版の PDF はダウンロードするにも使用するにも時間がかかり、効率的な検索機能がなく、モバイル デバイスとの互
換性もありませんでした。

「3 年ごとに『Digest』を発行する作業は複雑でコストがかかり、すべてのお客様のニーズを満たすことができるわけではありませんでした」と話すのは、Schneider Electric 社の MOTIF 環境担当グローバル製品マネージャ、ケビン・ハーベル (Kevin Habel) 氏です。

DITA XML オーサリングへの移行で効率向上

ハーベル氏は数年前、Schneider Electric 社のテクニカル ドキュメントを MOTIF 環境に移行することで、費用や労力の大幅な削減を達成しました。MOTIF の基盤は Darwin Information Typing Architecture (DITA) です。これは、複数のドキュメントおよび出力形式でコンテンツを簡単に再利用できるようにするために、コンテンツのエンコード規則を定義する、オープンソースの拡張マークアップ言語 (XML) です。MOTIF には、Arbortext Editor、Arbortext IsoDraw、Creo Illustrate、Windchill など、PTC の複数のオーサリングおよびコンテンツ管理ツールが含まれています。特定のワークフロー プロセスと MOTIF を組み合わせることで、ドキュメント作成者はコンテンツを容易に構築、開発、管理、パブリッシュできるようになります。

デジタル版『Digest』の課題

22,000 種類以上の部品と製品のコンテンツを多数のドキュメント作成者とプロダクト オーナーが担当し、それをすべて 1 つの発行物にまとめていることを考えれば、Schneider Electric 社の『Digest』が最も複雑な製品カタログの 1 つである理由は明らかです。表、詳細なイラスト、簡単な説明、豊富なテクニカル コンテンツを1,000 ページ以上にわたって記載した発行物を制作し、管理していく作業は、気が遠くなるほど面倒です。1 つのレスポンシブな HTML5 デザインの中で、印刷版と PDF版の同じ情報を利用できるようにすることを求めても、それは実現不可能に思えました。しかし Schneider Electric 社のドキュメント制作チームの場合、『Digest』の複雑性に対処し、1 つのソースのコンテンツを複数の形式で提供できるようにするのに最適な環境をハーベル氏がすでに構築していました。

2014 年の中頃、『Digest』のプロジェクト マネージャであるマーク・ミッチェル (Mark Mitchell) 氏はハーベル氏と協力し、競合企業に先駆けてデジタル版の『Digest』コンテンツを提供するという取り組みを開始しました。しかしまず、ミッチェル氏とハーベル氏は『Digest』関係者の賛同を得なければなりませんでした。既存のパブリッシング プロセスは困難でコストがかかるという認識は広まっていたものの、そうした注目を集めている作業を MOTIF 環境に移行することにはリスクが伴いました。もしプロジェクトがうまくいかず、パブリッシング作業が失敗すれば、大きな犠牲を伴う結果となっていたでしょう。

「全員がもっと信頼性の高いアプローチを望みました」とハーベル氏は言います。 「マーク・ミッチェルと私の意見は、DITA は実績ある基盤であり、弊社も拠り所にできるということで一致していました。適切な環境が整っており、新しい『Digest』 は顧客に親しまれるであろうという確信がありました」

1 年をかけて Framemaker オーサリング システムから構造化された DITA に移行し、この期間にデータのマッピング、DITA および MOTIF 環境のトレーニング、印刷版PDF スタイル シートの開発、製品情報の多数の更新を行いました。.

コンテンツ配信のスペシャリストとの連携により導入がスピードアップ

ハーベル氏とミッチェル氏は Oberon Technologies 社に問い合わせ、Digest プロジェクトの支援を依頼しました。Oberon 社には、複数の組織と連携し、モバイルを含む多数のチャネル向けの構造化コンテンツを最適化してきた豊富な経験がありました。

Oberon Technologies 社のコンサルタントは、Titania Delivery と PTC のコンテンツ制作ソリューションを組み合わせ、DITA 環境でのデジタル パブリッシング プロセスをさらに簡略化することを勧めました。Titania Delivery とは、ユーザーが複数の印刷およびデジタル形式でドキュメントを発行できるようにする、クラウドベースのポータル ソリューションです。Schneider Electric 社の顧客は、インターネットに接続されたコンピューティング デバイスを使用して、このポータルで製品情報を 検索して見つけることができます。また、『Digest』を継続的に改良していくため、顧客からのフィードバックを集めることもできます。

『Digest』を構成する表、グラフィック、テクニカル コンテンツは複雑であったため、ハーベル氏とミッチェル氏は、デジタル化のプロセスが完了するまでに数カ月はかかると考えていました。しかし、Oberon Technologies 社の専門知識のおかげで、チームはレスポンシブな HTML5 レイアウトでの『Digest』のオンライン化をわずか35 日間で達成することができました。

「最初、『Digest』のデジタル化というアイデアは無謀に思えました」とミッチェル氏は言います。「わずか 5 週間ですべての DITA コンテンツを変換し、お客様がオンラインで利用できるようになったときは、素晴らしい気分でした」

『Digest』を生きたドキュメントに

Schneider Electric 社では通常、3 年ごとに『Digest』のハードコピー版を再印刷しています。単純に『Digest』が大きすぎ、複雑すぎ、高価すぎるため、それより高い頻度で更新することが難しかったのです。しかしデジタル形式では、必要に応じたデジタル更新が現実的に可能で、コストもあまりかからず、タイムリーに対応できるようになりました。

『Digest』のコンテンツをすべてレスポンシブな HTML5 で利用できるようになり、Schneider 社は、この人気の高いカタログを提供するためのモバイル ソリューションを完成させる最終ステップを終えました。ライターたちは制作およびパブリッシング プロセスを改善し、ソース コンテンツはページ主体のファイル形式からオープン ソースのトピックベース形式に移行されました。コンテンツ作成者は、あらかじめ準備されたパブリッシング テンプレートを利用して個々のトピックを手早く更新できるようになると同時に、書式設定についてあまり心配せずに済むようになりました。『Digest』の更新を PDF にパブリッシュする作業はかつてより大幅に自動化され、HTML5 にパブリッシュする作業は完全に自動化されたプロセスになりつつあります。

 

「 タイムリーにコンテンツを追加し、エラーを修正できます」とハーベル氏。「レスポンシブ コンテンツをモバイル対応にしたことで、競合企業の先を行くことができました」

– Kevin Habel, global product manager for the MOTIF environment at Schneider Electric.

 

同社は現在、デジタル版の『Digest』の更新を四半期ごとにリリースしています。デジタル形式は次第に顧客から好まれるようになってきています。組み込みの検索機能を使用すれば、検索をフィルタリングし、必要な製品を手早く見つけることができます。

「モバイルに対応することで、すべての明かりがともったのです」とミッチェル氏。「DITA XML とコンテンツ管理を使用してこの大切なドキュメントを作成し、パブリッシングすることの利点を誰もが理解しました」

このプロジェクトは大成功を収め、Digest のチームは Schneider Electric 社の 2015 年トップ グローバル賞を受賞しました。Schneider 社のほかのグループも、パブリッシング プロセスで同じように効率を高めようと、ハーベル氏に支援を求めるようになりました。

「 これは弊社にとって始まりに過ぎません」とハーベル氏。「お客様が Schneider Electric 製品の購入に関する決断を下したり、製品情報を手に入れたりするお手伝いするた めに、デジタルでさらに多くのことを実現しようと考えています」

– Kevin Habel, global product manager for the MOTIF environment at Schneider Electric.

 

詳細については、こちらをご覧ください。 PTC Service and Parts Information Solution.

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