Axeon 社、Creo と Windchill を活用して電気自動車業界での業績を向上

開発サイクルの早期に製品設計を最適化

Axeon 社のロゴ

スコットランドのランディーにある Axeon は、ヨーロッパ最大のリチウムイオン電池独立系サプライヤです。年間 7,000 万個以上のセルを扱い、グローバル市場向けに電池を大量生産しています。同社は、電気自動車やハイブリッド自動車向けの大型バッテリを設計、製造しています。同社が開発した、市場の先陣を切る確かな品質のバッテリ管理システムは、信頼性と安全性の高い保証済みの性能を発揮します。Axeon はまた、Bosch 電動工具などの用途向けにもバッテリ ソリューションを提供しています。

課題: 電気自動車市場向けに丈夫で軽量なバッテリを設計する

電気自動車やあらゆる環境に優しい製品への関心の高まりにより、過去数年間で Axeon の電気自動車市場は拡大しました。「この市場拡大の前は、電動工具用のバッテリ パックや小型の単三電池といった多数のモビリティ製品に焦点を当てていました。環境に配慮する傾向が高まっている現在、同社は自動車向けの大型バッテリ管理システムを重視するようになっています。しかし、こうした大型バッテリは重く、構造負荷が大きいため、詳細なエンジニアリング解析が必要となります。

Axeon は拡大を続ける顧客ベースに向けて多数のバッテリ設計を行っていますが、新しい顧客の場合、このテクノロジを自社の用途にどのように適用すべきか決断するのに時間がかかることが珍しくありません。セル (バッテリの構成要素) に利用しているテクノロジが原因で、以前の Axeon ではシステムに十分なエネルギーを注入するために重く大きいセルを使用しなければなりませんでした。Axeon に課せられた課題は、拡大する電気自動車市場向けに丈夫で軽量なバッテリを設計し、製品の製造前に設計をテストできるようにすることでした。

この建築設計で Creo を使用した結果、ONL 社は、橋を構成する建築部材をカスタマイズできました。また、自社の F2F (File-to-Factory) コンピュータ数値制御 (CNC) 製造プロセスにより、納期どおりに予算内で橋を建設できました。

Axeon のバッテリ システム

ソリューション: PTC Elements/Direct で最適な強度を備えたシステムを設計し、Windchill PDMLink でドキュメントとテンプレートを管理する 

Axeon は、PTC の 3D 製品設計ソフトウェア ソリューションである Creo を導入し、バッテリのさまざまなコンポーネントを開発することにしました。具体的には、電気部分および配線図の設計には Routed Systems Designer を、機械部分の設計には Creo を、Creo モデル上の直接配線には Cabling Extension を、製造前のシミュレートには Creo Simulate を使用しています。Creo により、Axeon では実際の環境 (通常は SAE J2380) でバッテリ設計をシミュレートできました。Windchill PDMLink も併せて導入することで、プロセス全体の管理を向上させることもできました。

結果: 開発サイクルの短縮と設計コストの削減

Creo を導入した Axeon は、最適な強度を備えたバッテリ システムを、コンパクトで軽量なフォーム ファクタで設計することができました。より多くの素材を使って、より大きく重いバッテリを生み出していた以前の設計と比べると、大きな進歩です。同社は Creo を使用して自社で作成した構造を確認し、早期段階で性能を把握しました。Creo を導入する前は、エンジニアがコンポーネントをモデリングしてからプロトタイプを作成し、問題を診断して解決しなければなりませんでした。現在では、実際の条件下でバッテリ システムの設計、確認、シミュレーションを行い、そのまま設計を継続するか設計を修正するかを早期段階で決断することができています。


電気自動車用バッテリーのセルの開発

Axeon は、ヨーロッパ最大のリチウムイオン電池システム独立系サプライヤとして、電気自動車およびハイブリッド自動車、モバイル テクノロジ、電動工具に個別のソリューションを提供しています。同社は近年、電気自動車向けの複雑な大型バッテリ システムの製造に移行しました。顧客が自社の電気自動車用途にこのテクノロジをいかに活用すべきか決断できるよう、同社では多数の "単発" 設計を行っています。

Axeon のチーフ メカニカル エンジニアであるサイモン・ドブソン (Simon Dobson) 氏は、こう説明します。「当社が抱える最大の課題は、システムに十分なエネルギー密度を与えることです。現在のセル テクノロジでは、必要な電力量を得るために、多数の重く大きいセルを利用しなければなりません」

一般的な自動車用バッテリは 300 ボルトで、バッテリ システムの製造には約 90 のセルが必要です。Axeon のエンジニアは、セルのパッケージングにモジュール式アプローチを採用しています。その目的は、工場内での材料取り扱いのためと、より大きなバッテリ システムに組み込むことが可能なサブアセンブリを作成できるようにするためです。エンジニアはオフラインでモジュールをテストして、品質基準を満たしていることを確認し、電気系統を処理してから、モジュールを最終のバッテリ システムに組み込むことができます。


Axeon のバッテリ パック設計

モデリングと設計に PTC Elements/Direct を選択

「モデリングと設計に Creo を使用することで、車両の重量を最小限に抑えられるよう、丈夫かつ軽量なパッケージでこのレベルのバッテリ パワーを実現できる構造を作り上げるという課題をクリアできています」と、ドブソン氏は言います。「設計を最適化できなければ、既存の車両がかなり重くなってしまう可能性があります」
「当社が Creo を採用している理由の 1 つは、システムを設計し、実際の条件をシミュレートした現実の環境に置くことができることです。Creo で Fatigue Advisor を使用すると、個々のコンポーネントに対する振動の長期的な影響が分かります。このため、開発サイクル全体を終えてから設計が失敗であると判明する代わりに、最初の物理プロトタイプを作成せずに仮想シミュレーションを実行できるのです」
Creo のおかげで、開発とコストのかかる製造に入るずっと前の段階で、Axeon は複数のイテレーションを作成して設計を調整し、改善することができています。
「基本的に、シミュレーションを行わずに最終製品がうまく機能しなかった場合、プロジェクトの期間が 2 カ月は無駄になることになるでしょう。Creo を設計プロセスに組み込むことで、設計にさらに自信を持つことができるようになりました」と、ドブソン氏は結びました。

Windchill によりドキュメントを制御および共有

Axeon では Windchill PDMLink を使用してコンピュータ支援設計 (CAD) のドキュメントを制御しており、1 つの環境ですべての仕様と設計ドキュメントを利用できています。Axeon のエンジニアは Windchill 内でテンプレート モデルを作成し、ほかの部門のために新製品の構造を提供しています。エンジニアはこの BoM の詳細を調達チームと共有し、調達チームがレポートを確認して開発中の製品に関する理解を深めることができるようにします。

Windchill が備える重要な変更管理機能により、Axeon のエンジニアリング部門では、修正が加えられた際も、すべてのコンポーネントおよびアセンブリを正確にリビジョン制御できています。

ドブソン氏はこう続けます。「設計で難しい点の 1 つは、データの整合性です。何についても、正しいコンポーネント、正しいパス、正しいバージョンであると確認することは、非常に困難です。間違えると、非常に高くつくことがあります。Windchill PDMLink の素晴らしい点の 1 つは '一元的' であるということです。アセンブリに正しい部品を使用していると確信できることで、本当に多くのストレスが消えるのです」

電気自動車の実現

自社の製品に電気バッテリ テクノロジを組み込もうという自動車メーカーが増えていますが、こうした企業は Axeon に特定のニーズに合わせてカスタマイズされた軽量の効率的なバッテリの開発を依頼してきます。Axeon は Creo 設計ツールを使用することで、自動車のシステム内にバッテリを組み込む前にそのテストとモデリングを行うことができるため、開発時間の短縮とコストの削減が実現しています。Windchill PDMLink も、Axeon のさまざまな数多くの部署内での開発プロセスに関する情報の制御と共有を支えています。

ドブソン氏はこう締めくくりました。「Creo は当社のバッテリ システムにとって '製品保証' のようなものです。お客様に製品を渡すずっと前の段階で、複数のイテレーションを試して設計を改善するチャンスがあります」

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